講演「はやぶさ2 太陽系を駆ける」を聞く

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NEC航空宇宙システム総務部 チームはやぶさメンバー 小笠原 雅弘氏に、はやぶさプロジェクトの軌跡、日本の人工衛星や探査機の打ち上げの歴史とこの先の計画、そして、はやぶさ2の機体と調査内容と帰還予測について、90分語って頂いた。

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予算面からの計画の変更や、実機の装備の縮小。重量制限からの搭載機能の縮小、加えて、宇宙開発に対応でくる国内の無重力試験場の閉鎖など幾多の制約を、情熱とアイデアと熟練工の技と技術者の「もしも何かあったとき」に役立つ二重、三重の一工夫を詰め込んで乗り切り、実績を残し続けている宇宙開発事業の状況に感嘆した。
はやぶさ2の使命は、2018年に世界ではじめて1999JU3というC型の惑星に到着し地中の成分を採取し、2020年末に地球に戻ってくること。それは、原始地球ができた時に、全て蒸発したはずの水がなぜ現存し、その水はいったいどこから来たのかという謎を解く鍵になるかもしれないという大きな意味を持っている。

探査機を作るときに気をつけていることは、なるべくシンプルな構造にすること。電子制御に頼りすぎることは故障が増え、ミッションの継続ができなくなるリスクを負う。バネじかけや、お手玉から発送した力の分散方法など、ここぞというところにアナログな仕掛けが大胆に使用されていた。

講演:「はやぶさ2」太陽系を駆ける ~6年、50億Kmを超える長旅~
講演者:NEC航空宇宙システム総務部 チームはやぶさメンバー 小笠原 雅弘氏
講演会:城南地域産業振興のための講演会
提供:専業技術大学院大学提供
会場:大崎ブライトコアホール