映画「ザ・トライブ」を観て感じたこと

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ろうあ者の寄宿学校で生活をしていく主人公の少年セルゲイが、「トライブ」という悪の組織のヒエラルキーにも適応していくが、リーダーの愛人アナとの肉体関係をきっかけに彼女への想いが暴走していくストーリー。

<これから鑑賞を予定される方は、閲覧をお控えください>

暴力的支配と解決、衝動性、感情性など、人の原始的部分の強さと不完全さが好きだが、この未熟さを純粋というのだろうか?

メインキャストが全員ろうあ者で、会話は手話で行われ、かつ、健常者も喋らないが、状況と行動から、話の骨子は読み取れ、声がない違和感は薄い。

見えなければ言葉が伝わらないろうあ者の特性×犯罪集団×思春期の少年と少女。利害と抑圧と悲劇の中で、適応しはじめた主人公がアナとの肉体関係をきっかけに暴走していく。外から中へやって来た少年は女とセックスと快楽から現在が全てで、一方、中から外へ飛び出そうとする少女にとって、現在のセックスと金はと未来へ進むための手段だった。

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鑑賞日:2015年4月25日
場所:ユーロスペース(渋谷)
オフィシャルサイト:ザ・トライブ The tribe